2022年
510mm × 510mm
雪しろき
不二のなだりのひとところ
げそりと崩えて
紫深し
北原白秋
雪で真っ白に覆われた富士山。雪の下がどうなっているのか、普通は春がやって来るまでは見ることができない。しかし、雪崩が起きたことで、それを覗き見ることができた。そして、「あぁ、雪の下ではもう春の準備が始まっていたんだな」と生命の尊さを感じてしみじみとした気持ちになった。北原白秋の短歌を、このように私訳しました。
本作品はその情景をイメージしています。本紙の部分では、春の息吹や、雪解け水の流れなどを表現できたらと、縦線を多用して歌を書いています。