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​西村邸

2023

 

草臥れて 宿借るころや 藤の花 (松尾芭蕉)

秋近き 心の寄るや 四畳半 (松尾芭蕉)

菜の花や 和泉河内へ 小商い (与謝蕪村)

​かしこくも 茶店出しけり 夏木立 (与謝蕪村)

 つの俳句からなるこの作品は、『西村邸』を表現した作品です。

 西村邸さんは、奈良町の一画に100年以上たたずむ昔ながらの奈良町屋で、オーナーの杉本氏が「おばあちゃんち」をリノベーションし、2019年秋にカフェ、ショップ、レンタルスペース(茶室)を備えた宿泊施設としてオープンしました。

 本作品のグレーの布と格子状の紙は、西村邸さんの雰囲気のあるグレーの外壁に奈良格子という外観をイメージしています。

​ 4つの俳句は「宿=宿泊」「四畳半=茶室」「小商い=ショップ」「茶店=カフェ」の意味で選定しました。また、掛け軸の下側を入り口として、入って右がカフェ、左がショップ、右奥に茶室、一番奥が宿泊ができる「離れ」という間取りになぞらえて配置しています。各本紙の色は、それぞれの床の色をモチーフにしています。

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