2022年
330mm × 460mm
たはむれに
母を背負ひて そのあまり
軽きに泣きて
三歩あゆまず
石川啄木
冗談的な軽い気持ちが、母の命も永遠ではないという現実にハッとし、これまでかけてきた迷惑や親孝行ができていないことへの後悔の気持ちへと、時間経過とともに移り変わる心が表れている歌であると感じました。
外布・内布・本紙と、一段ずつ奥に落として作っているのは時間経過を表すためで、その三色で移り変わる心模様を表現しました。
斜めに配した内布は、負んぶしている様を抽象的に表していて、散らし書きの構成は、歩こうと試みるも二歩までしか歩けない様をイメージしています。